ハンズ

店に入って来たぺぃちゃんと准を、ジッと見つめる千尋の瞳が、ふと、くぐもった様に見えたが

すぐさま優しい笑みに押し消された。


「そうだね。
リハビリの時間もあるし、そろそろ戻らないと先生に心配されちゃうね。」

立ち上がる千尋のスカートが、可憐なビロードを描くように揺れる。

「マサミ君、
またね。」

「あぁ。」

一瞬見つめられるその瞳に、俺は思わず溶かされかけた。



「また来てね。
マサミ抜きでいいから。」

千尋は弘兄のいつもの冗談を笑って受け流すとお礼を言い、祥子さんと一緒に暖簾をくぐり帰っていってしまた。