ハンズ

「怖くないって言ったら、嘘になるわ。
今覚えてる事を辿ると、
思い出の数は少なすぎて…」


繋いだ反対の掌をジッと見つめながら、千尋は言う。

その細く伸びる指先から砂が落ちる様に、千尋の記憶は零れていくのだ。


しかしそれを留めておくスベが、今は無い。