「祥子さんから、 わたしの病気の話し、聞いてるでしょ。 家族の事を思い出そうと思っても、もう思い出せないの…」 そう言うと、千尋は目元を縁取る長い睫をソッと伏せた。 「覚えてないの?」 「そう、 覚えてないの……」