『海(うみ)、これからはおばあちゃんと暮らしていくのよ』

『海だけ?ママは?』

『海だけよ。ママとはしばらく別々に暮らすの』

『やだ…行かないで、ママっ!海も一緒にいく!』

『ごめんね、海』







引き止めるあたしの手を解き、あの人はあたしの顔を見ることなく背中を向けた。

泣きじゃくるあたしをおばあちゃんが抱きしめる。

あたしはしばらく泣いていたのを覚えている。






「はっ…。なんだ、夢か」



はっとして目を覚ました。

あの時、あたしは6歳だった。

あれから10年が経って、あたしは今年16歳になる。