あれからどれくらいたっただろうか。


あたしの前をたくさんの人が通りすぎて
いった。

スーツを着た皆無表情に早足の
サラリーマン。
髪をケープでガチガチに固め濃いめの
化粧をし今から出勤のキャバ嬢。

あたしと同じ年頃のかわいい制服を
ほどよく着崩したギャル達。
たまに常にニコニコ同じ所で色んな女の子に
ちらほら声をかけてる男の人があたしにも
あんな仕事をしないか?
こんな仕事をしないか?
君なら綺麗でかわいいし客集まるよと
淡々と言葉をかましあたしが真顔で年を
答えると あ〜じゃあまたねwと
去っていくキャッチの男たち。



みんなそれぞれ目的が違う。
こうやってギラギラ輝く夜の街に
1人座って人間観察をするのも悪く
ないかも。

傍から見ればあたしはどんな人?
今あたしを見た人は友達、彼氏を待って
いる女の子にしか見えないのかな?

ううん、違う。
そんな微笑ましいかわいい気持ちなんか
あたしの中にはこれっぽっちもない。

あたしはさっきまで彼氏といた。
いや、元彼か。
あ、そっか。元彼か。
もう彼氏って胸張ってみんなに自慢
できないのか。


嘘だよ?
今日エイプリルフールだよ?
欄華は馬鹿だな好きに決まってるだろ?
って微笑んであたしを抱きしめて
くれないかな?
あたし妄想激しい?今日エイプリルフール
じゃあないしね。


ねえ、やっぱり疑問。
あたしはふられた理由がわからない。