緋龍と偽姫





「なんで…緋那に執着する…」



麗が母親だった人に聞く。




「ソイツは…私から“蓮美緋呂矢”を奪った…妹の娘だからよ!


緋絽は年々…“緋呂矢”に似てきた。


だけど…ソイツは…“華那”に似てきて…。


私を苦しめてたのよ!!」



…それだけの…理由…なの…?



私は…それだけの理由で…虐げられて来たわけ?



馬鹿らし…。




それ以上に…。






悔しい。






「はっ。くだらねぇ。

あんたは…“蓮美”に選ばれなかっただけだ」




母親だった人は顔を真っ赤にして怒っていた。





「あんたたちに…何がわかんのよ!!」





母親だった人はナイフを麗に向かって降り下ろそうとした…。







麗だけは…私が守る!








「麗!」






私は麗を突飛ばし…麗の前に立ちはだかる。