緋龍と偽姫



ちょっと…なんで?



なんで麗さまは帰っちゃうわけ?



しかも…。



お弁当…持ってた…。



なんで?



彼女が…居るの…?



あんな…綺麗なお弁当…。




私は、紅龍の残った幹部に聞いた。



「麗さまには…彼女…が居るの…?」



「お前には関係ない」


沢井輝が私に言う。




「なっ…!お兄ちゃん!!」


私は兄に言う。




「百合…。俺は知らない」



お兄ちゃんはそう言って私に背を向けた。