「あんた、あたしの悪口言ったんだって?」 吐き捨てられるように言われた。 放課後に残ってて、という意味はこれだったんだ。 「なんとか言いなよ、まりね。」 それでも私は黙り続けた。 黙ったまま、彼女――由香の後ろに立つ莉子を見据えた。 すると莉子は私の視線に気づき、慌てて目を逸らした。 事実、私は悪口を言った覚えはない。 むしろ、一昨日由香と喧嘩した莉子の悪口を聞いてあげたくらいだ。