そして、朔は、振り返った。
「朝日を刺した奴は捕まったって言ったろ?そいつがいたチームも潰したから安心しろ。………もう犠牲者出すわけにはいかねぇよ。」
そう言った朔は、トップに立つ男の顔だった。
「俺が、……朝日が、大切にしてた仲間に出会わせてやる。」
「うん。」
先に逝った人。
残された人。
どっちが不幸かな。
それはわからないけど、
生きていれば、幸せになるのも、不幸になるのも、自分次第だよね?
だって、生きていれば未来は作れるんだもん。
私は、もう立ち止まりたくない。
どうせ生きるなら幸せになりたいから。
それは、罪なのかな。
朝日、私、幸せになるために進んでもいい?
「当たり前だろ。お前が幸せになんねぇとやだよ。俺が守った意味なくなるじゃねぇか。ばか。」
突然吹いた、心地いい風と一緒に朝日の声が聞こえた気がした。
「ありがとう朝日。私も朝日のとこいくのずいぶん先になりそう。……だからさ、それまで待っててね。」
さっきまで、泣いてたくせに
今は、私も朔も笑顔。
