俺が3歳の頃だった。

俺は、近所の女子とよく遊んでいた。

その近所の女子の親と俺の親の仲が良かったためか、お互いの家に泊まりに行くことも少なくはなかった。

それからのこと、俺はその女子に好意を持つようになった。

しかし、女子の親の転勤が決まったため、俺の恋?

初恋だな。

たぶん…

まぁ、その初恋とかいうやつは叶わないまま終わってしまった。

いつしか俺は、チャラけた男になっていた。

もし、その女子がまだ近くにいるのなら会いたい。

心の中の初恋はまだ終わってはいなかった。

でも、もう会えないだろう。

名前…

名前は何て言ったっけな?

『なぁ、母さん』

『んー?どうしたの?』

『俺が3歳ぐらいんときに、よく遊んでた子って誰だっけ?』

『あぁーそういえば弘斗と仲が良かったのよね!えっと、たしか み…み…』

『み?』

『あっ!みつきちゃん!そうよ、よぞらみつきちゃんよ!』

『…よぞら…みつき?…っは?バッ バカじゃねーの?』

『なによ、急にキレたりして。びっくりするじゃない。母さんなんかおかしなこと言った?』

『あっ、いや、わりー』

『まぁ、いつものことだしいいけど。で、今日あれでしょ、あれ』

『家庭訪問だろ?』

『そうそう!ちょっとお茶菓子買ってきてよ』

『んー』

ちょっと待てよ。

よぞらみつき?

俺の見間違いでなければ…

たしか同クラに夜空美月ってやつがいるはずなんだよな。