『ほんとか分かんねーんだけど、昔俺ら一緒に遊んだりしてた?』

夜空は一瞬とまどっているように見えた。

『…え?』

『なんか母さんが言ってたんだよ。昔、よぞらみつきって子と俺が仲良かったって』

数秒たって、ようやく返事が返ってきた。

『わかんない』

やっぱりか。
そうだよな。
もう11年前のことだし。

『だよな。正直俺もよく分かんねーしさ。なんか、悪かったな。呼び出したりして。』

『ううん、大丈夫』

大丈夫と言ってはくれたが、まだとまどっている感じがある。
あぁ、本当に悪いことしたな。

『そっか、ありがとな。今日のことあんま気にすんな。』

『うん』

『おう。じゃあ、そろそろ教室戻ろうぜ』

『うん』