(山南side)


「どこへ、行ったのですか……」


青い空に、あの人の笑顔を浮かべてみる。


穏やかな顔とは反対に、私の心は乱れていった。


膝の上で、拳を強く握る。


私が、もっとあなたに気を使っていれば、こうなることもなかった。


私が……っ。


☆⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂⁂☆


あの日、私は彼女を探していた。


屯所内にはいない。


ですが、今日は非番だったはず。


どこかへ行かれたのだろうか。


そして、土方君の部屋の前を通った時だった。


『島原には原田と秋羽を向かわせた。秋羽が女装して男たちを騙す』


何ですって⁉︎


彼女は、女性ですよ?


そんな危険なこと、させられるわけがない。


きっと、傷ついてしまう。


居場所はわかったものの、特に大した用でない私が、島原に行くことは……。


『秋羽君は、大丈夫かね?歳。万一の事があれば……』


『大丈夫だろ。仮にも男だ。襲われても問題ねえさ』