「うっ……」
なかなか目が開かない。
私は、寝てしまったのか?
山本さんに夕食が冷める前にと言われたのに。
早く行かねば。
ん……なぜだ?起きられない。
金縛りか?
私の体は縛られたように動かない。
そっと目を開ける。
「な、何なのだ……ここは、どこだ?」
見慣れない、木でできた平屋が並ぶ町。
袴や着物を着た人達から、ちょんまげの人まで普通では見られない風景だ。
それに、私の上に乗っているやつ。
こいつのせいなのか?
私が起き上がれなかったのは。
浅葱色のはおりに、鉢金に刀をつけたやつ。
なんだ、まるで新撰組ではないか。
新撰組……?この時代にはいないはず。
つまりは、タイムスリップ?か。
体には、何の変哲もない。
だが、困った。