これを壊したりしたら、私は……。
「にしても、あんさん女やったんやなぁ」
……そう。
無理矢理着替えさせられた時、隠せるわけもなくばれたのだ。
原田さんがいなかった分、よかったが。
「原田さんには言わないでください」
「えっ!」
一人の遊女が声を上げる。
焦ったように、口元に手を当てる。
上品……じゃなくて!
「どうしたんですか?」
「女の方が新撰組の作戦なんて、酷や思うから、ちゃんと守っといてくださいゆーてしもたわ……すんまへん」
……ばれた。
絶対に原田さんにばれたのだ。
これで、新撰組内で知っているのは三人。
『秋羽〜俺の武勇伝聞くかぁ?』
そういえば前に聞いたことがあるな。
『俺はなあ、切腹しようが死なねえんだよぉー!』
つまらない自慢話をされて……。
『平助がなぁ島原で……』
勝手に誰のことでもペラペラ。
『あいつよぉ、女に振られて……』
誰のことでもペラペラ……。
『おもしれぇだろ?はっはっは!』
原田さん……。
やばいぞ。
バレては、戦いに出られないのが普通か。