(斎藤side)


汗を拭った後、俺はその部屋の中心を見た。


周りには、大小様々な体型の男が、だらしなく座り込んでいる。


その横で、涼しげに微笑む男が1人。


沖田総司。


新撰組の中でも、剣術の腕が高い。


多くの隊士達は、現在終わったばかりの厳しい稽古の浸りたくもない余韻と、疲れにへばっている。


だらしのないとも言いたいが、総司の稽古はかなりきつい。


苦手なところばかりを狙い、体力が尽きるまではやめない。


一見、それで強くなるようにも思えるが、ただの総司の楽しみでしかない。


実際いやがらせなのだがな。