なんで頭の中には、秋羽がいる? なのに、誰よりも今僕の頭をうめつくすのに…… 誰よりも、僕じゃなくなってしまう。 わからない。 僕は、膝の中に顔を埋めた。 そして、とっさに思い出したあの名前を口に出していた。 「ーーー……」 自分でも無意識で、なんて言ったのかは覚えていない。 桃色に輝く、あの姿を、ただ僕は思いもなく思い出していた。 ただ、胸が一度だけなった。