「わかった。ゆっくり休んどけよ?」
「ああ。沖田さんにも言っておいてくれ」
私は、足早に池田屋を後にした。
零時まではまだ、時間があるか?
急げ、もっと速く。
走り続けて、屯所についた。
私は、真っ先に部屋に向かう。
押し入れから乱暴に布団を出して、そこに顔をうずめる。
その瞬間、心臓と額、手に激痛が走った。
「いっ……ぐっ、……あ」
声が出ないように、布団に口を押し付けたり、着物を噛んだりする。
痛い……!
辛い、苦しい。
痛む部分を掴むように抑える。
暴れたせいで、髪は乱れて羽織もしわしわだ。
「……うぁっ!」
涙が出る。
こんなに痛いのに、沖田さんや平助は剣をとって立ち上がろうとしていた。
なんて、心の強い人達なんだ。
守れるなんて言いながら、私は結局……。