こんな私じゃ、だめなのだ……!
皆を守らなくてはならぬ。
もう少しで、新撰組にとって歴史的な大事件が起こるのだから。
「失礼します、秋羽です」
前に、矢野という隊士が2人いると聞いてから、秋羽と言うようになった。
やはり、このような場で、下の名で言うのには少し違和感を感じる。
「何っ⁉︎秋羽、起きたのか?」
「え?」
部屋に入った私への、土方さんの反応に疑問を感じる。
「起きましたが……」
「そ、そうか、おぅ……」
明らかに、罰の悪い顔。
ぎこちない返事。
普段、堂々とした人間版鬼の様な土方さんからは、考えられない。
こいつ、何か隠している。
「よく寝てたな。ほら、こんな空も青いと、一週間と3日も寝れるんだな。ははっ」
話をそらすな!
だいたい、空が青いのは関係な……。
今、一週間と3日と言ったのか⁉︎
そんな長い間私は寝ていたのか?
「すみません!そんな長い間迷惑を……」
頭を下げた瞬間、何かが引っかかった。
一週間と、3日。
つまりは十日間。
私が寝たのは、26日。
「……土方さん、今日は何日ですか?」
「……6月5日だが」