私には、誰にも負けない剣術がある。


誰にも負けない速さがある。


知り合いなんて誰もいない世界で、この先私はどう生きて行くのか?


もう、先は安易に予想される。


この人たちと、強く、何かを守り抜いて生きて行く気がする。


なんとなく、そうなればいいと思っている。


紅月は、戦いを好まぬ強い妖怪でした。

そんな紅月を人々は初めは恐れていたものの、後に自分の武力のために利用しようとします。

紅月は人間を嫌い、山の深く奥へ逃げようとしますが、そこで出会った1人の少年にありのままに接しられ、少年に心を許します。

そして生涯、その少年を守り生きていくと決めました。


話はまだまだ続いて、もっと細かいけれど、なんとなく今の私に似ている。


時を渡り、新撰組に来て、武力のために利用されようとする。


逃げて、逃げて、でも捕まって。


それでも、私の話を信じ、迎え入れてくれたこの人たち。


生きていけるのかもしれない。


『人生とは、一つしかないが、神は生きる人生を誰にも平等に与える。落ち込むな。そこから最善を目指して努力せよ。その先に、秋羽の望む未来があるのだ』


お爺様の、最後の言葉だった。


神が与えた人生を、私は強く生きよう。


誰にも笑われないほど、負けないほど輝いて。


「今は気持ちの整理がつかないけれど……必ず、新撰組のために私は戦います」


私の涙を、みんなが拭ってくれた。