「すまない。わけはこいつらに聞いてくれ。あと、私は失礼する」
立ち上がって、駆け出す。
ーーーグッ
ーーーギュギュギュ
「離せ!痛いのだ!」
右手を沖田、左手を藤堂に引っ張られる。
動けないどころか、肩が抜けそうだ。
そして、怒った土方が、私の足を持ち上げた瞬間、2人が手を離した。
馬鹿野郎!今離してどうするのだ!
床がスローモーションで顔面に迫り来る。
どうしてこうなっているのだ、私。
ーーーバコーンッ!
顔は、手で守ったが、胴体を強打。
しばらく動けそうにない。
私は、その痛みよりも、理不尽なこの状況に涙が出た。
うずくまりながら、突如泣き出す私を、周りはどう見ているだろうか。
きっと、ほんのちょっと痛いだけで泣くか?とでも思っているのだろうな。
ふざけるな……。
こんな時代に来て、勝手に入隊させられそうになって、逃げたら強打。
泣いて何が悪い。
昨日まで、冷静に物事を捉えていた自分が馬鹿だ。
今すぐ……帰りたい。