今更謝って、あの日をカバーしようとは思わない。 でも今そんな思いをさせている自分が嫌いで、 藍川を力の限り抱きしめた。 優しく、強く。 愛しくて、切なくて、大事な子。 「し、城田!」 「うるさいな、ちょっと黙ってろよ」 「だって!」 「……一度嫌ったけど」 柔らかな髪に頬を寄せて、 「その気持ちを余裕で上回るくらい、今藍川が好きだよ」 だからさ、そんな寂しいこと言わないで そばにいてよ。