好きな人の、視線の先に。




みんな夢中で千里の話を聞いている。


「私も悩んだよ。ずっと苦手だったのに、好きな人がいるって知った瞬間好きって気づくなんて。都合いいなって思った。自分勝手すぎだもん」



同じ思い。


私が思ったのと、全く同じ。



「でも好きになったの。苦手だとか暑苦しいだとか関係なしに、今まで話しかけてくれた奴が違う子に笑いかけるなんて絶対嫌だった。都合よくてもいいの。今私は彼が好きだから」



それだけは変わらない。