好きな人の、視線の先に。




「私ね、なんで城田を好きかわからないの」


「うん」


「分からないんだけど、でも痛いの。

城田の口からその子の名前出るたび胸が苦しくなって、息ができなくなる。

……おかしいよね、わからないのに好きって」


「おかしくなんかないよ」