それをどのようにして、別構造へ変化させるのか。
それに有害物質はひとつだけではなく複数存在し、外界で生息している植物に悪影響を与えている。
浄化にあたってそれらの植物も除去しないといけないのだが、その前に大地に染み込んでいる物質を一掃しないと話しにならない。
その第一段階として、原子構造の変形。
というのがプロジェクトの最大の過大となっているが、長い年月それについてあれこれと研究と実験が繰り返されているが、これといって成果が出ていないのが現状だった。
その間も汚染が進行し、状況は悪化していくばかりといっていい。
シオンが語る内容に、相手は「うんうん」と頷き、時折感心したかのように間延びした声音を出す。
シオンが語る間、疑問や質問は一切ない。
ただ長い説明を聞き入り、今後の参考とする。
「……というのが俺の見方」
『なるほど。参考になる』
「下っ端の考えだけど」
『お互い、下っ端だよ』
「まあ……な。で、話は変わるけど……聞いたぞ。最下層への調査が決まったそうじゃないか」
『どうしてそれを?』
「アイが言っていた」
『ああ、なるほど』
相手はシオンとアイザックが友人同士と知っているので、すぐに納得する。
同時に、じゃんけんの件は忘れずに参加するようにと念を押してくる。
やはりどのようにしても最下層へ向かう人物を決めるじゃんけんに参加しないといけないらしく、不参加は最初から認められていない。
「わかっている」
『こういう役割は上の者は絶対行きたがらないし、下っ端の役割だろう? だから、全員参加』
「……了解」
『じゃあ、有難う』
通話が切れると、シオンは相手が発した言葉に感情がざわめいていることに気付く。
普通に会話していたが、最後に発した言葉は明らかに階級が上の者に対しての敬意を示すもの。
勿論、階級が上の者が全員反感を持つ者ばかりではないが、心の何処かに上の者へ逆らってはいけないという感情を持つ者が多いのが現状。
それは仕事での成果が認められ出生した者なら敬意を示していいが、ただ階級が上というだけの者に敬意を示す理由も権利もない。


