アメット


「必至だな」

「周囲の信頼を勝ち取りたいんだよ」

「そんなに評判が悪いのか?」

「……女癖が悪い」

「ああ、そんなことを言っていたな」

「パーティーでのお持ち帰りは、定番となっているらしい。これ、結構有名だから本当だよ」

 と言いつつ、キーボードを力強く叩いて見せる。

 どうやら切りのいいところまで仕事が終わったのか、シオンは背伸びし欠伸を繰り返す。

 シオンの話を聞いたアイザックは、女にもてる部分だけは羨ましいと思う。

 しかしそれにより悪い噂が広がるのも、いい気分ではない。

「パーティーって、年中やっているのか?」

「どういう意味だ?」

「統治者って、金持ちの集まりだろう? なら、絢爛豪華なパーティーを年中やっているイメージが……」

「父さんは、嫌いだよ」

「他は?」

「年中じゃないが、定期的にやっているらしい。暇しているから、それで時間潰しなんだろう」

「働いていないのか?」

 アイザックの質問に、シオンは曖昧な言い方しかできない。

 統治者として君臨していても、年月が来れば統治者の役割は後退してしまう。

 それ以外の時は、何をやっているのか――

 確かに仕事らしい仕事をしているが、といって本格的な仕事といっていい内容ではない。

 社長。

 相談役。

 そんなところだろうと、話していく。

「会社、持っているのか?」

「正確にいえば、息が掛かっている」

「裏で操るやつか」

「そんな感じだ」

「知らなくていいことを知った気分だ」

 シオンに出会い正体を知らなかったら、裏の世界の縮図など知らないままだっただろう。

 普通に暮らしていたら、それらを知らないまま死んでいく。

 統治者一族の者だからこそ知る情報の数々に、アイザックは唖然となってしまう。

 同時に、とんでもない人物と友人関係になっていると、改めて認識する。