画面の向こう側の君に


ある日から私は、好きという言葉を何処か鵜呑みにしてしまうところがあったのかもしれない。


好きという気持ちが思い出せないのだが、それはただ逃げてるだけだったんだろう。

まぁ、秋斗は良き、相談相手だ。


失いたくはない。

でも、恋愛感情が含まれているかと聞かれれば安易に頷くことはできない。


「ねむっ…」


部活でクタクタなはずなのになかなか寝付けない深夜。


電気を消せば、時計の秒針の音しか聞こえない。


…何気無くケータイを開くと秋斗からラインがきていた。


「…っ」


嬉しいと思う自分がいる。

まるでこの時を待っていたかのように。

でも今日の秋斗はどこか意味深だった。


「ねえ、今から会えない?


無理だよな


ごめん変なこと言った。


忘れて。」