ったくなんで俺がこんなことしなくちゃいけねーんだよ・・・
 
心の中で暴言を吐きながら、校門の前に立つ俺。

阿武 勘太【annno kanta】

こうなったのは、全部委員長のせいだ。

あの時俺が・・・。

『はいっ!さあさあさあさあ!やってまいりましたよ!入学式っ!』

お前が、入学するわけじゃねえだろ?

と思いつつ、話を聞く。

『はい、3年生は新入生の道案内をしなくてはいけませんっ』
はあ?

『道案内、やりたい人は挙手して~』
・・・。

『え~誰もやんないの~?じゃあ男子でじゃんけん負けた人が道案内ね』
げっ
おれ、じゃんけん超弱いんだけど。

『はいっ男子集まって~』
こいつ正気かよ・・。

『はいっ最初はグー、じゃんけんポンっ』
パー、パー、パー、パー、パー、パー、パー、パー、パー、グー
・・・。

うそだろっ!?

こんな確率で!?

『はいっ、かんたね~』

・・・。

なんで?

なんで、俺じゃんけん弱いの?


ってなわけで、ここに立ってる俺。

しばらくすると、小柄でポニーテールをした女子が来た。

ふ~ん、割とかわいいじゃん

ちょっと観察してみよう。

すると、ぶつぶつつぶやきながら歩き回ってるさっきの女。

・・・迷ってるのか?こいつ

一応、声かけてみよう。

「どうしたの?道に迷ったの?」

「・・・はい」
やっぱりな。

「あっ道案内してあげるよ」

「あっ、ありがとうございます