彼女は今日も"叶わぬ恋"に水をやる。明日も明後日もその次の日も。
そして彼女は言う。
『叶わないからと諦めるのは、自分らしくないから』と。
そんな彼女の痛々しくも眩しいくらいの笑顔を直視することが出来なかった。
それはある日突然やって来た。
今日も部活に出ずに、帰ろうとした俺に悪魔からの通達が来た。
"今日は新入部員が来るから必ず顔を出すこと!!!来なかったら秘密をバラすから!!! 津曲葉月"
悪魔からの通達には俺を気遣うような言葉は一切なく、ただ物凄く恐ろしい脅迫しか書いてなかった。
「もうこれ、脅迫文だろ…」
津曲葉月には幼馴染みを労る優しさはないようだ。下駄箱に向かおうとしていた足を"文化部の部室"がある旧校舎へ向きを変える。大王様のメールを無視し、命令に逆らうと、とっても恐ろしいことがあることを、既に学習している俺は、素直に命令に従うしか道はないのだ。無駄なあがきはしたくはない。俺は渋々といった様子で旧校舎へ向かった。
旧校舎にある文化部の部室。扉に紙で"文化部部室"と書かれている元生徒会室が何気に好きだったりもする。最近はちょっと忙しかったためなかなか来ることが出来なかったので、ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、大王様に感謝している。ほんとにちょっとだけ…。
俺が部室に入るとまだ誰も来てはいないようだった。俺が来ていない間もなんの変鉄もない文化部の部室。俺が覚えてる場所にキチンと整理整頓されている。
「さすがは、おかんとの呼び名もある幸介だな…」
文化部は俺を入れて現在三名である。新入部員がいるのだから三人以上だろうか。文化部部長 津曲葉月。彼女は俺の幼馴染みであり、俺の天敵でもある。文化部副部長 泉幸介。彼は皆におかんと称されるほどに母性に溢れた好青年である。そして部員である俺こと、下関慎太郎。恐らく皆が気になり出しているであろう俺の秘密。それは…
「あっ、やっと来たな!!!現役美人女子高生 月影美羽こと下関慎太郎君!!!」
「毎度毎度言ってんじゃねぇよ!!!バカマガリ!!!」
「なっ!?誰がバカマガリだって!!!ほほ~ん♪私に逆らおうとはいい度胸ですねぇ、下関君?」
しまったと思っても、もう遅い。彼女はニヤニヤと両頬を緩ませ、こちらを見てくる。
「くっ!!!…した…」
「え?全然聞こえなぁい?何?」
聞こえてんだろが!?と反乱したいがそんなことをしてみろ、二次被害が出てしまう。俺は屈辱的な感じに顔を歪ませ彼女の望んでいる言葉を言おうとしたら、
「津曲もあんまり、慎のこといじめないであげてね?ね?」
おかんが俺を、大王様の手の内から助け出してくれたのだ。俺は心の底からおかんに感謝をした。
「はーい…。」
「わかったなら良し!!!でも、慎にも比はあるんだからね!!!」
「うっ!…分かってるよ……」
俺と津曲は、幸介が見ている前で心のこもっていない謝罪を口にする。
「「すみませんでした。」」
「どんだけ謝る気ないんだよ二人して…。まぁいいけど。」
まぁいいのか?と、疑問に思うがややこしくなりそうなので絶対に口にはしない。
「新入部員って男子?女子?それと何人?」
「あぁ、言ってなかったっけ?」
「言われてませんよ。」
「そだっけ?まぁいいよ。今言うから!!!」
まぁいいよで済まされてしまうのだから俺への対応はとても乱雑なのだろう。地味に傷付く。
「新入部員の子は一人で女の子だよ。多分慎太郎も知ってるんじゃないかな?結構可愛いから学校じゃ有名人だよ?頭もいいし、運動も出来るから。」
「全く知らないし、あまり興味もない。」
「あれ?珍しいね。この手の話には食い付きそうなのに…」
俺だってネタにしようとちょっとは新入部員の入会を喜んでいたが、ここまで王道なキャラクターの持ち主をネタにしようとは思わない。俺はどっちかって言うと非王道の方が好きだ。王道過ぎると逆に定番過ぎてつまらない。書く気になれない。
「鉄板過ぎるんだよ、キャラクターが。だから興味ない。」
「興味ないって言い切らなくても…」
「アイツはいい子だよ?」
「え?」
「だ・か・ら!!! アイツはいい子だよ?多分慎が思っているよりも。」
幸介の目は本物だった。確実にその子を信じている様子だ。というか信じているも信じていないも実際に会ってみないと、さすがの俺だってわからない。ただ…
「勘違いするなよ、幸介。次回作にその新入部員の子を似せたキャラクターを使わないってことを言ってたんだよ
。別に人として興味がないとかじゃねぇから、実際に会ってみないとなんもわっかんねぇだろ?」
「そう…だよね。なんか人として興味がないのかと思った。」
「たまに幸介ってとんだ勘違いするよね?www」
「確かにwww幸介らしいけどwww」
そして彼女は言う。
『叶わないからと諦めるのは、自分らしくないから』と。
そんな彼女の痛々しくも眩しいくらいの笑顔を直視することが出来なかった。
それはある日突然やって来た。
今日も部活に出ずに、帰ろうとした俺に悪魔からの通達が来た。
"今日は新入部員が来るから必ず顔を出すこと!!!来なかったら秘密をバラすから!!! 津曲葉月"
悪魔からの通達には俺を気遣うような言葉は一切なく、ただ物凄く恐ろしい脅迫しか書いてなかった。
「もうこれ、脅迫文だろ…」
津曲葉月には幼馴染みを労る優しさはないようだ。下駄箱に向かおうとしていた足を"文化部の部室"がある旧校舎へ向きを変える。大王様のメールを無視し、命令に逆らうと、とっても恐ろしいことがあることを、既に学習している俺は、素直に命令に従うしか道はないのだ。無駄なあがきはしたくはない。俺は渋々といった様子で旧校舎へ向かった。
旧校舎にある文化部の部室。扉に紙で"文化部部室"と書かれている元生徒会室が何気に好きだったりもする。最近はちょっと忙しかったためなかなか来ることが出来なかったので、ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、大王様に感謝している。ほんとにちょっとだけ…。
俺が部室に入るとまだ誰も来てはいないようだった。俺が来ていない間もなんの変鉄もない文化部の部室。俺が覚えてる場所にキチンと整理整頓されている。
「さすがは、おかんとの呼び名もある幸介だな…」
文化部は俺を入れて現在三名である。新入部員がいるのだから三人以上だろうか。文化部部長 津曲葉月。彼女は俺の幼馴染みであり、俺の天敵でもある。文化部副部長 泉幸介。彼は皆におかんと称されるほどに母性に溢れた好青年である。そして部員である俺こと、下関慎太郎。恐らく皆が気になり出しているであろう俺の秘密。それは…
「あっ、やっと来たな!!!現役美人女子高生 月影美羽こと下関慎太郎君!!!」
「毎度毎度言ってんじゃねぇよ!!!バカマガリ!!!」
「なっ!?誰がバカマガリだって!!!ほほ~ん♪私に逆らおうとはいい度胸ですねぇ、下関君?」
しまったと思っても、もう遅い。彼女はニヤニヤと両頬を緩ませ、こちらを見てくる。
「くっ!!!…した…」
「え?全然聞こえなぁい?何?」
聞こえてんだろが!?と反乱したいがそんなことをしてみろ、二次被害が出てしまう。俺は屈辱的な感じに顔を歪ませ彼女の望んでいる言葉を言おうとしたら、
「津曲もあんまり、慎のこといじめないであげてね?ね?」
おかんが俺を、大王様の手の内から助け出してくれたのだ。俺は心の底からおかんに感謝をした。
「はーい…。」
「わかったなら良し!!!でも、慎にも比はあるんだからね!!!」
「うっ!…分かってるよ……」
俺と津曲は、幸介が見ている前で心のこもっていない謝罪を口にする。
「「すみませんでした。」」
「どんだけ謝る気ないんだよ二人して…。まぁいいけど。」
まぁいいのか?と、疑問に思うがややこしくなりそうなので絶対に口にはしない。
「新入部員って男子?女子?それと何人?」
「あぁ、言ってなかったっけ?」
「言われてませんよ。」
「そだっけ?まぁいいよ。今言うから!!!」
まぁいいよで済まされてしまうのだから俺への対応はとても乱雑なのだろう。地味に傷付く。
「新入部員の子は一人で女の子だよ。多分慎太郎も知ってるんじゃないかな?結構可愛いから学校じゃ有名人だよ?頭もいいし、運動も出来るから。」
「全く知らないし、あまり興味もない。」
「あれ?珍しいね。この手の話には食い付きそうなのに…」
俺だってネタにしようとちょっとは新入部員の入会を喜んでいたが、ここまで王道なキャラクターの持ち主をネタにしようとは思わない。俺はどっちかって言うと非王道の方が好きだ。王道過ぎると逆に定番過ぎてつまらない。書く気になれない。
「鉄板過ぎるんだよ、キャラクターが。だから興味ない。」
「興味ないって言い切らなくても…」
「アイツはいい子だよ?」
「え?」
「だ・か・ら!!! アイツはいい子だよ?多分慎が思っているよりも。」
幸介の目は本物だった。確実にその子を信じている様子だ。というか信じているも信じていないも実際に会ってみないと、さすがの俺だってわからない。ただ…
「勘違いするなよ、幸介。次回作にその新入部員の子を似せたキャラクターを使わないってことを言ってたんだよ
。別に人として興味がないとかじゃねぇから、実際に会ってみないとなんもわっかんねぇだろ?」
「そう…だよね。なんか人として興味がないのかと思った。」
「たまに幸介ってとんだ勘違いするよね?www」
「確かにwww幸介らしいけどwww」