「うぅ…ありがとうを言うのは私よ……本当にありがとう」
「泣かないでくださいよ」
「だってぇ〜」
真友子さんは可愛い人みてぇだ。
顔をぐちゃぐちゃにして泣いてる。
「真友子さん、今どこに住んでんすか?」
「へ?…隣の県」
「そこって人多いですか?」
「いいえ…とっても田舎。あるのは山くらいよ」
ちょうど良くね?
「今度遊びに行きます。真友子さんに会わせたい人もいるし」
「え?遊びに?って、会わせたい人⁉︎彼女??」
「彼女じゃないけど…大切な人です」
「そっか…楽しみ‼︎いつでも来てね‼︎」
なんか仲良くなっちまった…?
でも、会えてよかった。
母親がイイ人だって、愛のある人だってわかってよかった。
父親は許せる気がしねぇけど…。
親権を譲りたくないと言った真友子さんに暴力を振るったらしい。
「淳…淳って名前つけたのは誰ですか?」
「私よ。真っ直ぐ生きて欲しかったから」
「真っ直ぐ…」
「ええ。理想以上にしっかりした人になっててビックリだけど」
よかった。
真友子さんがつけた名前で。
ずっと不安だったんだ。
記憶にもない最悪な親がつけた名前だったら…って。
「淳〜時間だ」
「はい‼︎…真友子さん、また連絡します」
「ありがとう。待ってるわ」
こうして終わった急な親子対面。
会えてよかった…本当に。


