「………淳?」
「なこ…気づいたか?」
「淳…おかえり」
「……ただいま。1人にしてごめんな?」
目に光が戻ったようななこ。
良かった…。
落ち着いてきてんな。
「淳…怖いの」
「ん?」
「淳がね、離れて行きそうで…。淳が帰ってこないと思って…」
「大丈夫大丈夫。俺の家だから、ココは。だから帰ってくる」
「ずっと暗いままな気がして…朝が来ないで、ずっと1人なの」
なこ…。
「淳に『なこなんて要らない』って言われるの」
「…言わねぇから。ずっとなこの側にいるから。ずっと一緒にいるから」
「淳…なこ、怖いよ」
その時、一筋の涙が流れた。
初めてみたなこの涙。
なこの笑顔よりも先に、涙を見てしまった。
無表情のなこが初めて見せた感情。
「なこ…寝よう。ずっと抱きしめるから。なこが寝るまでずっと抱きしめるから」
なぁ、なこ?
きっと俺は、お前が好きだ。
もうお前を離せないくらい。
初めてみたときから、きっと。
お前に夢中なんだよ。
だから、な?
怖がらなくてイイ。
お前に害を与えるモノは俺が取り払うから…。
ずっとココにいろよ?


