いくら飲んだかわかんねぇくらい飲んだ。



腕にはずっとなこがいて。



天使の微笑みを浮かべていた。



ふと気づけばカオスな状況。



「なんでいつもこーなんだよ…」

「かえろ?」

「代行呼ぼうか」



寝てるケンさんと、雪ちゃんを叩き起こす。



コウくんは危険だから放っておこう。



キスされたらたまんねぇし。



ginjiさんファミリーと真友子さん達は既に帰ってる。



社長と遊さんはまだ飲んでるから大丈夫だろう。



shikiさんは見た目とは裏腹に下戸らしく、烏龍茶だったから、sakuさんを送ってくれるらしい。



なんで俺が仕切ってんだろ…。



「JUN〜愛してるわよ〜」

「うるさい、雪ちゃん」



めんどくさい雪ちゃんを車に押し込み、俺となこも乗り込む。



代行の運転手さんに行き先を伝え、後のことはケンさんに任せた。



途中で雪ちゃんを届けて、向かうはマンション。



「ジュンのおうち?」

「社長あんなだしね」

「うん」



いくらセキュリティ抜群でも、あんなバカでかい家になこ1人にはさせられない。



8LLDKとかいう意味ワカンねぇ家は、リビング行くまでに解除するものが多すぎる。



めんどくさいから今日なこは俺んちに連行。



一応社長には伝えたし、久しぶりに2人でいたいじゃん?



「風呂入るか」

「うん‼︎」



さすがに社長の家で2人で風呂に入るのは気が引けて、数ヶ月ぶりの一緒に風呂。



見ない間になこが成長してる…‼︎



ガリガリでしかなかったはずなのに、出るとこ出てるし。



社長に何食わされてんだ⁉︎



「頭洗って〜」



シャンプーハットがないと自分ではまだ洗うのが怖いらしい。



いつもより丁寧に流してやると、気持ち良さそうな顔。



色んな表情ができるようになりつつある。



その表情を見るたび、俺の心臓は跳ね上がる。



「はい、身体は洗えるよな?」

「うん‼︎」



なこが自分で洗ってる間に俺も全身洗って…。



その間に溜めた湯船に2人でダイブ。



あー、久しぶりだ。



「なこ、今日はありがとな?」

「うん、うれしい?」

「あぁ、まじ嬉しい。幸せだよ」



この幸せにずっと浸かってたい。



何か忘れてる気はするが、今が最高すぎてどうでもいい。



後ろからなこを抱きしめ、幸せを噛み締めた。