NAOに会いたがってたginjiさんを始めとして、その場の全員に直哉を紹介する頃には社長も揃った。



今日はSSG行きつけのbarを貸し切りだ。



各自移動して、宴会の開始‼︎



久しぶりにワイワイする気がする。



花見以来か…?



俺の車には、なこと直哉。



なこが途中トイレに行ったから、到着は1番最後。



事前に送られてきた住所を頼りに着いたのは、隠れ家的な店。



重ための扉を開く。



「「「JUN、ハッピーバースデー‼︎」」」



は?



え、何これ。



クラッカーの音と共に紙吹雪が降り注ぐ。



今日はなこの初仕事の前祝いだろ?



なんでハッピーバースデー⁇



「え、真友子さん⁉︎」



隣県にいるはずの真友子さんと誠さんまでいる。



「じゅん、座ろ」

「あぁ」



なこに促される。



なこ驚いてないってことは、知ってたのか?



誕生日まではまだ数日あるから、完璧油断してた。



去年の盛大すぎるパーティとは違い、豪華すぎる仲間を集めた身内ばかりの集まり。



規模は大きくないのに、嬉しさは数倍だ。



「これ、なこちゃんが考えたのよ〜」

「え、雪ちゃんなんでいんの⁇」



インフルのはずの雪ちゃんまでいる‼︎



飾り付けに忙しかったらしい。



インフルじゃねぇのかよ。



さっきまで寝てたケンさんもピンピンしてるし、俺が自ら運転してココに来る為に仕組まれてたってことか…。



ダマされた。



しかもなこ発案なんて…。



これ以上の幸せってある?



「さ、食べましょ〜」

「飲むぞ〜」



いつの間にか馴染んでる直哉はginjiさんの次女に懐かれてる。



社長は一升瓶片手に遊さんの隣でずっと笑顔。



ケンさんはSSGと腕相撲大会してるし…。



真友子さんたちは相変わらずほのぼの。



みんな自由すぎるけど、最高に居心地がいい。



「なこ、ありがとな?」



さっき雪ちゃんに聞いた。



今日のパーティーは全部なこの給料から天引き。



この為に慣れない仕事を頑張ってたって。



最高すぎるよ、なこ。



「どういたしまして」



そう言ってなこは、



初めて俺に笑顔を見せた。