真友子さん曰く、地元から1番近いデパートで女性と腕を組み歩く誠さんを見たらしい。



しかし誠さんはそんな事実ないという。



「女性と関わるのなんて仕事だけだし、仕事でデパートなんて行かな…い…あっ‼︎」



それまで否定し続けてた誠さん。



あっ、って何⁉︎



心当たりがあるわけ⁇



泣きそうな顔で問い詰めてた真友子さんの目から、耐えきれずに涙が出てきた。



「やっぱ浮気してたんだぁぁあ」



やっぱり号泣。



「ちょ、待って‼︎浮気してない‼︎聞いて‼︎」

「やだぁぁあ。触んないで〜‼︎」



振り出しに戻っちまった…。



なこの髪をドライヤーで乾かし、絵を描くのを眺めながら、2人の行く末を見守る。



「コレ、みて‼︎コイツでしょ⁇まゆちゃんが見たの」



聞く耳を持たない真友子さんに無理やり携帯の画面を見せる誠さん。



チラッと画面を覗くと、黒髪ロングの人が写ってた。



真友子さんとは正反対の綺麗系。



え、やっぱり浮気⁉︎



ギョッとしながらも、顔には出さずにあぐらの上に座るなこを抱きしめる。



「やっぱり浮気じゃん!」

「違う‼︎これも見て‼︎」



携帯を操作して、再び真友子さんに画面を見せる誠さん。



チラッと画面を見た真友子さんは、一度目を逸らしたものの、直ぐに二度見三度見して目を見開いた。



俺も再びチラ見する。



「…は?」



思わず声が出た。



「コイツ、田中正志。正真正銘オトコ」



写っていたのは上裸の黒髪ロング美人。



あるはずの胸が無く、立派なシックスパック。



「ぇえええ‼︎」



真友子さんが叫ぶのも無理はない。



だって顔だけ見たら完全にオンナ。



「結婚して、3児のパパ。女装が趣味で、新しい服を買うのに付き合わされただけ」



結婚、パパ、女装⁉︎



色んな情報が一気に入ってきて混乱…。



真友子さんも眉間にシワが寄ったまま固まってる。



「俺、浮気してない。まゆちゃんLOVE‼︎」

「…あ、うん。…なんかゴメンね?」



たっぷり時間をかけてどうにか理解したらしい真友子さんと、誤解が解けてホッとしてる誠さん。



やっぱり2人はほのぼのラブラブしてるのがしっくりくる。



「まさか男の人相手に嫉妬してたなんて…」



と恥ずかしそうに突撃したことを謝りながら、真友子さんは誠さんに連れられて帰って行った。