「それはアキのため?」
アキの代わりに、アキの夢を叶えるってこと?
「秋人、インターハイ本戦が決まったあの日、土手で私にメダルを掛けながら言ったよね?これはアキの想いだって」
秋人はアキへの償いのためにバスケをまた始めたのだろうか。
もしそうなら、秋人もあの事故から前に進めなかった私と同じだ。
アキのおじさんの言う通り、アキの事故に囚われてる一人。
「それもある…けど、違う」
「違う?」
「俺のために観に来てほしいんだ。他の誰でもない、茜に」
思いも寄らない言葉に、えっ、と動揺を隠せない。
言葉の意味はわかる、けど頭がついていかない。
まさか秋人からそんな言葉が出てくるなんて思ってもいなかったから。
「俺がずっと、茜を好きだったって言ったらどうする?」
「な、何を冗談…」
「冗談じゃない」

