もちろんその気持ちは本当で、嘘偽りのない気持ちだけど。
羨ましさと同時に悔しかったんだ。
自分はどうして一人だけ女なんだろうって。
結局、二人の中に入り込むなんて出来なかった。
本当は私も二人と同じコートに立って、三大大会制覇の夢を語り合いたかった。
「国体とウィンターカップは優勝出来なかったけど、インターハイでは必ず優勝するから」
秋人が私を見つめる。
真っ直ぐと、瞬きもせずに。
最近、秋人と目が合うと身体が言うことを聞かなくなる。
緊張で身体全体が鼓動しているかのようだ。
「だからインターハイ、観に来てくれないか?」
私達以外、誰もいない廊下。
遠くで吹奏楽部の演奏が聞こえる。
これは、有名な高校バスケのアニメのエンディングで流れていた曲だ。
ややの沈黙の後、私もまた秋人を見据えて口を開いた。

