アキと私〜茜色の約束〜


あまりにもうるさい心臓を落ち着かせるように制服の胸元をキュッと握る。


今、目の前にいる秋人を、私はよく知ってる。

誰よりも声を張り上げ、誰よりも目がキラキラしていて、誰よりも熱く。

生き生きとしていて、全身からバスケが好きだと伝わってくる。

中学の頃、やさぐれた秋人じゃなくて。
アキと夢を語り合っていた頃の秋人が、そこにはいた。


「戻ってくるのが遅いよ…馬鹿秋人」


視界が涙で滲む。

小学校の頃は、アキよりも秋人の方がバスケ馬鹿で、熱かった。
そんな秋人に、アキも負けじとついて行ってメキメキと実力を上げた。

頭の中に思い浮かぶアキと秋人のゴールデンコンビ。

目を合わせて合図をしなくても、パスしたところに不思議と相方がいて。

お互いの動きを見なくてもわかってるような。

そんな二人の息が合ったプレーを見るのが好きだった。