アキと私〜茜色の約束〜


汗水垂らして練習する姿に、羨ましいと思う。

必死で今を生きて、青春を謳歌して。

二度と戻ることのない高校生活。
悔いのないように一生懸命な皆が、凄く輝いて見えた。

そして、


「バスケ部…」


体育館から響くボールの音に胸が高鳴る。

体育館の開いたドアから、現れては消える秋人の姿に引き寄せられるように体育館に近付き、そっと中を覗く。


「っっ」


キュッキュッと床を鳴らすバッシュの音。
外で聞くよりはるかに力強いドリブルの音。
顧問の怒声。
声援やドンマイなどの掛け声。

ぶつかり合う身体。
光る汗。

部員全員の真剣な表情。

その熱気に、鳥肌が立って思わず息を飲んだ。

その中でも、一際目立っていたのは秋人で。

ドキッと跳ね上がる鼓動。

目が、離せない…