あの日助けてくれたのが例えアキじゃなかったとしても、アキのこと好きなのは変わらないし。
それに色んな面で助けてもらってるから、アキが私のヒーローに変わりはないんだけど。
でもやっぱり、あの日一番に駆けつけて私の所まで来てくれて、私を庇って怪我をしたあの男の子が、私のヒーローの根本になっているから。
あの男の子がアキじゃないのは、少し残念な気持ちもある。
逆に、秋人が私を助けてくれたヒーローだった、と思うと胸がきゅうっと締め付けられた。
私は公園を後にすると、再び学校へ向かう。
校門を潜ると、真っ先に見えたのは校庭で練習するサッカー部。
その周りを走る陸上部。
奥のグラウンドでノックをする野球部。
校舎からは、吹奏楽部の様々な楽器の音が聞こえる。

