アキは赤が好きだから赤。
秋人は名前に秋が入っているから秋色のオレンジにした。
『ありがとう』
それぞれの手首にプロミスリングを結んであげると、二人は嬉しそうにそれを眺めている。
『ねぇ、早くお願い事しないと』
『俺は無敵になりたい!茜を悪者から守れるように』
そう真っ先に言ったのはーー、秋人だった。
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目を開けて、噴水を見つめる。
キラキラ輝く水しぶき。
いつ見てもこの景色は変わらないことにほっとする。
もし、今日見た夢が私が忘れていた過去ならば。
あの日私を助けてくれたヒーローはアキじゃなく、秋人だ。
アキの手首には今もプロミスリングが付いている。
毎日お風呂に入る時ゴシゴシと洗って、
切れそうになったら補修して、今もずっと付けてくれている。
作り直すよ、って言ってもこれがいいんだってアキが微笑むもんだから、補修は私がしてあげていた。

