アキと私〜茜色の約束〜


アキは赤が好きだから赤。
秋人は名前に秋が入っているから秋色のオレンジにした。


『ありがとう』


それぞれの手首にプロミスリングを結んであげると、二人は嬉しそうにそれを眺めている。


『ねぇ、早くお願い事しないと』

『俺は無敵になりたい!茜を悪者から守れるように』


そう真っ先に言ったのはーー、秋人だった。


□■□


目を開けて、噴水を見つめる。

キラキラ輝く水しぶき。

いつ見てもこの景色は変わらないことにほっとする。


もし、今日見た夢が私が忘れていた過去ならば。

あの日私を助けてくれたヒーローはアキじゃなく、秋人だ。

アキの手首には今もプロミスリングが付いている。

毎日お風呂に入る時ゴシゴシと洗って、
切れそうになったら補修して、今もずっと付けてくれている。

作り直すよ、って言ってもこれがいいんだってアキが微笑むもんだから、補修は私がしてあげていた。