アキと私〜茜色の約束〜


「台無しになんてしていません!囚われてなんていません!」


アキに会いに来るこの時間が、今の私には一番の楽しみで幸せな時間なのに。

なんでおじさんはそんなことを言うの?

私はアキの側にいたい、ただそれだけなのに…


「じゃあ聞くけど、最近いつ笑った?」

「え…?」

「学校で友達と笑った?家でテレビを見ながら笑った?」


学校で友達と?
そんな思い出、全くない。

弥生は馬鹿を言って笑わせてくれるけど、おじさんはそういうことを言ってるんじゃないと思う。

高校に入学してから、私は弥生以外友達はいない。
そもそも、作る気もなかった。

アキと一緒のとこが良くて受験した高校。
アキがいない学校生活なんて想像もしていなかったし、今だって受け入れたくない。

修学旅行も体育祭も文化祭も、アキがいないとつまらないって楽しむ努力すらしてなかった。