アキと私〜茜色の約束〜


見てみたいな、アキが大人になった姿を。

アキはどんな大人になるんだろう。
どんな仕事に就いて、どんな人と結婚して。

どんなお爺ちゃんになるのかな…

その隣りに、私はいるのだろうか。


「それに、明希がたくさんの人に愛されてることを知った。事故から二年半経っても、皆忘れずにお見舞いに来てくれる。茜ちゃんはもちろん秋人君も中学の友達も先生も、近所の人まで。それがおじさんとおばさんにとってどれだけ心強いことか」


おじさんは鼻をズッと鳴らすと、だけどね、と声を落として私に目を向けた。


「そろそろ茜ちゃんにも前を向いてほしいんだ」

「前を、向く?」

「明希を想って毎週来てくれるのは本当に嬉しい。だけど、茜ちゃんは今を生きてる。風を感じて、季節を感じて。明希に囚われて今を台無しにするのは明希は望んでいない」