アキと私〜茜色の約束〜


そう思うのに、秋人が仲間に囲まれてバスケしてる姿を見る度に、事故を思い出してしまう。

“俺が、殺した”

秋人が病院で言った言葉が、頭に浮かんできて。
私の弱い心を支配するんだ。


「私、最低なんです。バスケ部が…秋人がインターハイ出場を決めても、ちっとも嬉しくない。逆に悔しくて悔しくて堪らないんです」

「それはどうして?」

「だって、そこにアキの姿はないんです。アキがいるはずだった場所に、他の人がいて…」


目を瞑ると、事故の後初めて見たアキの姿が今でも鮮明に思い出せる。

頭や足、腕には包帯が巻かれ、頬にはガーゼ、そして何本も繋がれた管。

痛々しいその姿を見た瞬間、目の前が真っ暗になった。

もうアキのバスケしてる姿を見ることが出来ないのか。

笑った顔も怒った顔も、照れ臭そうに頬を染めた顔も。
もう、戻って来ないのだろうか…