アキと私〜茜色の約束〜


アキのおじさんは優しい。
朗らかで、空のように大きな心を持っていて。

そんなおじさんに、アキは似てる。


「そうみたい、ですね…」

「どうしたの?浮かない顔して。茜ちゃんは嬉しくないの?」

「私は…」


言葉に詰まる。

正直、複雑だった。
前はあんなに嫌いで、顔も見たくなかったのに。

今は声を大にして、秋人が嫌い、って言えそうにない。

なんでかはわからない。
自分の心境の変化に、私自身驚いてる。

それでもやっぱり、私はアキの未来を奪った根源の秋人を、許せない気持ちは強い。

まだ誰にも言ったことがない。
秋人を許せない自分。

他の人が聞いたら、どう思うだろうか。


「茜ちゃん?」


おじさんの優しい声に、涙が滲む。

出来ることなら、こんな風に秋人を嫌いになったり憎んだりしたくなかった。
アキと同じ、秋人だって私の大事な幼馴染だから。