あれから私達は変わらず幼馴染として過ごして、高校卒業後大学に進学した。

秋人とは別の大学で、なかなか会えなくなったけど、たまに夜会いに来てくれる。
何をするわけでもなく、ただ土手を散歩するだけ。

その時間を楽しみにしてる私は、多分秋人が好きなんだと思う。


「多分じゃないでしょ!さっきからずっと秋人君のこと気にしてるくせに」


弥生は呆れたと言わんばかりに、再び溜め息を吐いた。

わかってる…
白状すると、弥生の言う通り“多分”じゃない。

インターハイ辺りから、私は秋人に惹かれていた。

だけど、あの頃の私はアキのことも好きで。
自分の気持ちがわからなくて、ずっとその気持ちに気付かない振りをしてきた。

でも今ならはっきりとわかる。

私は秋人が好き。
凄く、凄く、好き。