掴まれた腕を思いっきり振るも、秋人の手は振り払えない。
それどころか、更に強く握ってくる。
「こうでもしなきゃ、俺の話聞かないだろ?」
「あんたの話なんて聞きたくもないし、そもそも同じ空気も吸いたくない!」
「相当な嫌われようだな」
「当たり前でしょ⁉︎自分のしたことわかってんの?アキの人生めちゃくちゃにしたくせに、自分は呑気に笑ってチヤホヤされてっ!」
秋人軍団の中で笑う秋人が頭に浮かぶ。
楽しそうな秋人に、怒りで体が震えてくる。
「あんたなんて大っ嫌いよ!」
私の叫び声が、やけに屋上に響いて、思わずはっとした。
すぐに秋人に目をやる。
「あ…あの…」
秋人は目を見開き、そして、苦しそうにふっと口元に笑みを浮かべた。
その姿に、胸が痛む。

