トントントン、と床に落ちるボール。
ほんの数秒、会場が静けさに包まれる。
今のゴールがカウントされるかどうか。
会場全体が固唾を飲んで見守る。
神様。
もし、神様がいるのなら…
今まで一人で闇と戦ってきた秋人に。
もしかしたらバスケが二度と出来なくなるかもしれない秋人に。
そして、数年間眠り続けてるアキに。
最高の輝きをください。
もう私の願いは何も叶えなくたっていいから。
二人の夢を、叶えてください。
ーーーーピーッ‼︎
審判が思いっきり笛を吹くと、大きく腕を上から下に振り下ろした。
秋人のシュートがカウントされた瞬間だった。
「わぁーっ‼︎」
一気に盛り上がる場内。
秋人に駆け寄るチームメイト。
涙が、止まらなかった…
声にならなくて、いつまでもいつまでも、喜ぶ秋人の姿を見つめていた。

