アキと私〜茜色の約束〜


秋人は持ち前の速さとドリブルのテクニックで華麗に相手を抜き去る。

そして、スリーポイントシュートを放った瞬間。


ーーーーーブーッ‼︎‼︎


試合終了のブザーが鳴った。


会場全体が息を飲んだ。

全てがスローモーションのようで、ボールは高く綺麗に弧を描く。

秋人は自信満々に笑みを浮かべると、拳を天高く掲げた。
その時、


「え…ア、アキ…?」


今…一瞬だけど。
秋人の隣りで、アキが笑顔でガッツポーズしているように見えた気がした。


涙が一つ、頬を伝う。

私はアキがスリーポイントシュートを決めた時の自信満々な笑顔が大好きだった。

そうか。
アキは、秋人とずっと一緒に戦っていたんだね。


ボールはそこに道があるかのように、ゴールに吸い込まれていく。
そして。

ーーーースパッ‼︎

ゴールポストに触れることなく、ネットを揺らした。