アキと私〜茜色の約束〜


本当はハーフタイムの時、秋人を止めておくべきだと思った。

この試合が終わったら、秋人はきっと、バスケが出来ない足になる。

後悔する前に、誰かが止めてあげるべきだと…
それが私の役目だと思った。


だけど、それは間違いだった。
ハーフタイムの時、止めていたら…
秋人があの時点で、交代していたら…

そっちの方が後悔する。
秋人も、私も。

秋人は自分の足が、例え動かなくなったとしても、この試合を走り切りたい。
それが秋人の想い、情熱だから。

それなら私は、その想いを尊重する。

その時が来たら、私が秋人の足になるから。
だから…


「行けーっ‼︎秋人‼︎」


精一杯走れ。

全てを、秋人の想いを、そのゴールに叩き込め!