アキと私〜茜色の約束〜

すぐにネットを潜ったボールを取るとパスを回す。

焦る気持ち。
残り20秒…

1分って、こんなに早かったっけ…
祈るように、両手を握る。


「俺に回せ！」


秋人が、ポイントガードに向かって叫ぶ。

すぐにパスを回すと、秋人は凄いスピードでディフェンス四人を抜き、あっという間にゴール前に辿り着いた。

キャプテン同士の戦い。
睨み合う間も、刻々と時間は過ぎていく。

残り10秒。

秋人の足は、多分もう限界に来ていることだろう。
だけど、秋人の気持ちがそれを上回っていて。


ーーーもう誰も止められない。