私の今の夢は、また三人で、あの茜色に染まる土手で芝生だらけになりながら寝転がること。
そして、今出来ることは、この声が枯れるまで応援することだ。
「そうだ、頑張れ!」
「ファイトー!」
私に続き、応援席から次々と声が上がる。
選手達は予想外の出来事にポカンと口を開けて、異様な会場の雰囲気に驚いているようだ。
「よし、残り2分!勝つぞ!」
秋人の掛け声で、うちの学校の選手もベンチも応援団も一つになった。
「「「オーッ‼︎」」」
と、拳を高く掲げて気合を入れる。
さっきまでの諦めかけた表情とは全然違って、生き生きした顔のレギュラー陣がそこにはいた。
その後、秋人は足を痛めてるとは感じさせない程の動きを見せる。

